食べることが大好きだったね。
そして、出されたものを残すのがふたりとも心苦しくて。
そんな君が食事が喉を通らなくなったとき。
点滴で栄養がとれてたけど、
制限で食事すら出されない日のほうが圧倒的に多かったのに。
少しでも手をつけてもらいたくて。
食事が出るということは治療としても意味があると思って。
元気になってほしくて。
苦し紛れに僕は屁理屈のような、こんな言葉を造った。
『口にするものってすべて命からつくられているんだよね。うん、水と塩以外は』
『そして水も塩も命に必要なもの』
君は翌日から、全部のメニューにひとくちずつだけ口にするようになった。
僕は少しずつ良くなると思った。嬉しかった。その時は。
死んでしまったということは、
僕が言った言葉は意味がなかったか、間違っていたか。
だよね?
君に贈った言葉が今、自分を締め付けている。
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